わおの冒険 第2話
2014.10.23. 22:46 | 閲覧数 2055 | いいね 22
無事に初級訓練を終えた和織。
先に走り去ったムソン先輩のあと、ニコニコしながらお師匠や
ジニーさんにお礼を言おうと洞窟を出たのでした。
だが、そこで見たものは、和織にとって信じられない光景だった。
ムソン先輩とユウ先輩が黒い影たちと戦い、その合間をすり抜けて
お師匠の元へ向かう和織。
だが、階段を前に足を止めた和織は、その情景に涙を浮かべる。
せっかっく仲良くなった友達。
すでに事切れていた・・・。
涙を拭き、只ならぬ状況に階段を駆け上がる。
そしてそこで突如、人影が道を塞ぐ。
咄嗟に避ける和織。
するとその人影は「ずるり」と言う音を立てながら地面へ落ちていく。
「ああ!」
咄嗟のことで名前が出ないが、3番目の兄弟子だ。
その向こうでも多くの友達が倒れ伏せていた・・・。
そんな時、聞こえる悲鳴!
その聞き覚えのある声に視線を向ける!
その瞬間、和織の背筋が凍りついた。
ジニーさんが、黒い女のヒトに斬られ、地面へと倒れていく。
「ジニーさんっ!!」
そしてすぐそばで、唸る声が聞こえた。おっきい先輩の声だ。
視線を向けると、息も絶え絶えにこちらに叫ぶ。
「逃げろ・・・。」
そう言い残して大きな先輩は「バタンッ」と地面に突っ伏した。
「な、何で・・・!」
予想できない状況に、和織は思考を停止させる。
そんな中、向こうでお師匠が女のヒトと戦っているのが見えた。
「お師匠様!」
和織はその姿に唯走りよる行動をとる。
だが、突如目の前に先ほどの黒い影たちが沸きあがった!
※SS内の台詞は、下のものと置き換えてください。
「じゃ、邪魔しないでぇー!」
習ったばかりの剣術で斬りつけていく和織。
さすがは天下に名の知れたホン門神功。影たちなど敵にならない。
しかし、その数は和織の目の前に、黒い壁を築いていた。
「もぉー、邪魔するなァ―――!!」
和織は大きくジャンプすると、そのまま滑空で師匠の下へと向かう。
そしてたどり着いた屋根の上。
和織は剣を抜いて立ち向かおうとした。
「だめじゃ!来てはならんっ、下がっておれ!!」
お師匠の言葉。
それが一瞬の隙。炎が師匠を捕らえる!
「お師匠様!!」
炎を放ったのは長い黒髪の悲しげな表情の女。
和織は、怒り任せにその前へと飛び、斬りかかった。
女は無表情のまま、そっと右手を突き出す。
その右手から炎の竜巻が噴きあがり、和織を飲み込もうとした。
「きゃんっ!」
一瞬の機転で身を翻した和織は、何とか回避するも、地面へ落ちてしまう。
そんな和織を気遣う様に、師匠は近くに寄ってくると、
悪い3人は間合いを取ってこちらを見つめる。
お師匠様と、真ん中の女は知り合いのようだ。
どうやらお師匠様が持っているらしい剣を欲しがっているようだが、そのために、ジニーさんたちを・・・!
お師匠様に守られるようなあたちの目の前に、突然現れる新たな敵。
それは、さっき洞窟であたちを褒めてくれたムソン先輩だった。
「どうして・・・。」
そんな思いを踏みにじるように嘲り笑うムソン先輩。
和織は何が何だか分からなくて・・・、悲しくて、悔しくて、
両目から涙をぽろぽろと零しながら目の前の4人を睨んだ。
「離れていなさい。」
突然聞こえたお師匠の声。
するとお師匠は杖を地面に突き刺す。
途端、お師匠様の体が大きく変身していく!
「お、ししょ・・さ、ま?」
凶暴な容姿のお師匠様。
そして気合一発相手に向かって放つと、ムソン・・・が地面を転がっていった。
そして次の瞬間には、大きな男と、ジニーさんを斬った女がお師匠様に襲い掛かる。
でも、お師匠様は軽く腕を払っただけで、二人は払い飛ばされた。
続いてリーダーの女が攻撃してくるが、お師匠様は捕まえて
地面に投げつけた。
圧倒的な力!
もう、驚くしかなかったが、さすがはお師匠様ということだ。
でも、次の瞬間、お師匠様が構えを見せる。
唸り声とともに両手のひらの中で蒼い玉が光りだす。
そして唸りが聞こえなくなると、その玉を敵に向かって放った。
ものすごい衝撃波が起こって、あたちはその衝撃に吹き飛ばされてしまった。
さらに、攻撃を試みるお師匠様。
だが、そんなお師匠様にリーダーの女が語る。
「いいのか?生き残った弟子だぞ。」
和織の周りを取り囲む3人。攻撃の手が和織に向いている。
その言葉に動きを止めるお師匠様。
そんなお師匠様に女は続けた。
「弟子を放せ。」
そう言って、元の姿に戻るお師匠様。でも、かなり体が衰弱していた。
そんな姿で地面にあった杖を持つと、その杖の中から青い刃の剣が現れ、それを女へと放ってよこした。
同時に、あたちは解放され、急ぎ足でお師匠様に駆け寄っていく。
「お師匠様!」
あたちのせいでと、謝ろうと思った。
救ってくれたことにありがとうと言おうとした。
ただただ、涙いっぱいの顔でお師匠様に抱きつこうとした。
なのに・・・。
突然背後から黒い物がお師匠様を飲み込んだ。
立ち止まるあたち。
そんなあたちに、お師匠様が言う。
そして、その黒い塊に包まれたお師匠様は、着ていた服だけを残して消え去ってしまった。
その服を手に、泣き崩れる和織。
その後ろで女の歓喜の声が響く。
「許せない・・・。」
胸にあるのは怒りの炎。
涙でくしゃくしゃになった顔は憎しみを表し、右手は血が出るほどに握りこまれた。
もう、何も考えられなかった。
そして・・・。
斬られた。
成す術もない体は弧を描き、身体からいくつも、何度も黒い霧が
吹き上がっていった。
やがて地面でなく、重力に引かれた身体は島から落ちていく。
薄れる意識の中で浮かび上がるもの・・・、それは
楽しく接してくれた友達。
優しかった先輩たち。
そして、ひとつの後悔。
最後に、思うのは謝罪の言葉。
そして身体は真っ暗な海へと叩き込まれた。
つづく。
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⌒゚(=σσ)オオッ…途中の展開が追加されてるぅ♪面白かったです❤
三人目の先輩&大きい先輩の扱いにも涙(☍﹏⁰)゚⌒w -
続編はやいねー。この世界に引き込まれた最初の衝撃的な場面でした。
海に落ちる時、和織ちゃんの心に浮かんだのは「ごめんなさい」か・・・健気だぁ。次回も楽しみにしてます
とても印象的で良いシーンなのに、先に”馬さんいっぱい”とか”これやヴぁい人”な記事をいっぱい見たので変な気分です・・・。 -
>多くの閲覧、「いいね!」&コメント、ありがとうございます。
正直、今回は私自身、大分、和織の気持ちになりすぎて、泣きながら書きました。
いくつかお馬鹿な表現は、悲しくなりすぎないようにとしてみましたが・・・><
次回、すでに作っていますので、近いうちにお送りしたいです。 -
>アクアリータさん
早くに見ていただき、ありがとうございます^^
卯美々と違って、最初から物語性を強くして書いてますw
ちょっとした展開は入れて行こうとがんばります!
一方の先輩たちには申し訳ないですが、あまりに重いお話になり過ぎないようにと・・・。(反省
お楽しみくだされば、幸いです^^
>みちみちさん
とりあえず、まだ後2話分はストックしてありますw
気持ち的には早く終わらせてしまいたい場面なのですが、ここをしっかり抑えないと後が・・・。
和織は無垢なだけにそういう純粋な子にしたいです。
えと、馬さん?やヴぁい人?!丁度旬?ですよねw
そういう記事の中なので、あえて悲しいお話を入れさせていただきました。
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3人目先輩の名前わたしも完全に忘れました
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「キルホ先輩」の扱いにフきましたw
何人か育てた後だと先が気にならなくなるので、じっくりとムービーとか閲覧できますよね。
あと、私のマイキャラでクリエイトしてる「大きい先輩」の「ヨラク先輩」。
マイキャラに持つと、鮮明に覚えられます。
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さ、3番目の・・・せんぱ~い(名前が)・・・気持ち分かりすぎて悲しすぎる><
このシーン現時点で8キャラ分見てますが、絶対スルーできない悲しい場面ですね(シクシシク -
和織ちゃんのセリフにショッカーが出てきたのは、不思議な感覚ですね。
キルホ先輩・・・ -
キルホ先輩は相変わらずの扱いですねw
てかあれ、ショッカーの皆さんだったのか・・・ -
>akiceballさん
男性キャラとしては、一番最初に声をかける相手なのですが・・・。
それだけしか思い出が・・・。
>真幌葉さん
起こしたらだらしない。みんなが祝福してくれる中で遅れてくる。
何より、特徴が薄い・・・。そんな先輩ですので・・・。
この場面だけは1回目でしっかりと脳裏に焼きついてしまってまして、どのタイミングでという
感じでSS撮影しました。
ヨラク先輩は、覚えてるんですよ。マシュターのとき、身長が同じくらいなので気安く呼んでましたからw
>御伽乃草子さん
キルホ先輩、田舎のなまり全開でがんばられました><
この物語で最も重要なシーンだけに、重いものを打ち込まれたシーンですね。
>ロンディワルさん
あれは、私自身のおふざけなので、セリフ変換お願いします><
あの先輩は、これで忘れられない方になったのです!
>虎徹さん
一番最初に起こすだけのキャラですからw
ショッカーは忘れてくださーいw -
お姉ちゃんに会うまで先長そうですね。ガンバー!(^^9
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キルホ先輩本当にキャラ薄い方だなぁww
和織ちゃんのごめんなさいで一気に涙腺崩壊しました;;(電車の中だからかなり怪しかったかも
これからのお話も楽しみにしてます! -
>みまさん
和織の想い、何とか届けさせてやりたいなとは思ってます。
応援よろしくお願いします^^
>ケモ耳マニアさん
そういう星の下に生まれたんだと思います・・・。
私なんか、師匠との別れのシーンから涙流してキーボード叩いてました・・・><
よろしくお願いします。 -
感動しちゃいました(´;ω;`)
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>影虎♪さん
泣かないでくださいね・・・。泣いちゃう話ですが・・・><