ホン門派の朝は早い。
まだ正式に武功を習う許可が下りていない俺は、毎朝基礎修練をしている。
修練の内容は薪を持ち綱を走って渡る。それを往復して繰り返す単純なものだ。
正直、何度もやってきたこの修練はもう楽なものだ。目をつぶっても渡れる自身はある。


あっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



とある老兵の乾坤一擲。
第一話『年老いた新米弟子』



ん・・・何だ、ジニーか・・・いつの間に服を着たんだ？
いつもは俺より遅く起きるというのにどうしたことやら。


そうだ、聞いてくれジニー。
どうやら俺はさっきまで悪い夢を見ていたようなんだ。
・・・いいから早く修練をしろと？
わかったよ。




修練のあとはホン門派の兄弟子にあたる二人を起こしにいく。
キルホおはよう。
ユウ先輩！！おはようございます！！！！！


・・・っとまぁ、ここまでが毎朝の一連の日課だな。
俺がホン門派の弟子の中では一番年上なんだが、新米弟子ということもあってよくこき使われている。
大変なこともあるが悪くない。
昔、戦場を渡り歩いていたのが嘘みたいな平穏な日々だ。

さて、ホン師匠に呼ばれているしさっさと行くとしようか


いつも通り師匠の言葉には重みがあるな。
何、犬先輩が詳しく話したいことがあるから俺を呼んでいたと？
わかった。なら早く行こう。


犬先輩。それは本当か！？
ついにこの俺にも武功を教えてくれるというのか！！


そして修練場へと向かう俺に門派のみんなは温かく迎えてくれた。
俺もやっとホン門派の一員になれたということだな。


武功を教わった俺は、さっそく身についているか確かめるため洞窟へと向かう。
途中襲ってくる木人形どもはなんなく倒し、洞窟の奥にて覆面を着けたふざけた野郎、ムソンと対峙する。
丁度、良かった。俺はどうにもお前が嫌いでな、本気でやらせてもらう！！


何、一撃だと・・・！？いや、違うんだ！！
実は先日、俺は膝に矢を受けてしまって実力の半分・・・三わ・・・い、一割！！
一割しか出せていないんだ！！わかったな！！


しばらく、一人取り残されていた俺は武器が壊れているのに気が付き修理することにした。
いつも思うのだが、装着しながらでないと小手は修理ができないというのは何とかならんものかね？
慣れるまで何回指を叩いたことやら・・・
さて、さっさとみんなのところに戻るとしようかね。


洞窟から戻ると、俺の目の前に広がるのは見慣れた風景ではなく、何者かに襲撃されているみんなの姿だった。
何だ・・・？
一体、何が起こっているんだ！？


――これがホン門派のみんなとの最後の別れになるとはこのときの俺には知る由もなかった・・・


続く・・・？


最後まで読んでいただきありがとうです！
会話内容などは脳内補完でお願いします！
見切り発車でやってみようと企画したものの欲しいSSがなかったりなど中々に大変でした。
そして書いて思ったこと、需要あるのかこれ？でした。
とりあえず竹林村まではまじめに、そのあとは紳士ゆるプレイに切り替えようかなと思います。


いつも記事を見てくださる方、いいねを押してくれる方、コメントをくれる方に感謝を。
みなさんのおかげで約二ヶ月で２３もの記事を書くことができました。
これからもよろしくお願いします！！