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ユーザーイベント【百物語】無事終わりました。

こんばんは。夏の夜のユーザーイベント【百物語】先ほど無事に終わりました。
たくさんの方々に御出で頂き、心より感謝しております。

また、語り部として 佐村河内守さま、レイアークさまには、この会に見合ったステキなお話をして頂けました。
ありがとうございました。

今年で5回目となった百物語。
また次回も開催できたらと願っております。

では、合間に撮影したものをいくつか・・・。








あ、最後に寝落ちした人は、このように可愛い方に憑りつかれてましたw

本当に楽しいひと時を過ごせました。
皆様、ありがとうございました。


さて最後に恒例の、今回発表した物語を記載しておきます。
今回は怖い内容にしてあります。
怖いのがダメな方は、読むかどうか自己でご判断下さいませ。

〇この作品はフィクションです。
かなりきつい描写がございますので、無理な方はお控えください。

>あいしたモノたちのかたきうち

少女がいました。
大人しい内気な性格。
だから周りとのコミュニケーションは極めて少ない少女。
でもそんな彼女は読書が好きで、ずっと本を読みながら日々を過ごしています。
本の好きな彼女は童話や童謡を好み、様々な物語から優しい心に成長していました。
そんな少女も高校生になりました。
それまで一人で大人しく過ごしてきた彼女ですが、高校生になるとそっとしてくれません。
友達になろうと言い寄ってくる同級生。見た目が派手で、異性との付き合いが頻繁な少女二人。
それまで人付き合いなどしたことのない少女でしたが、せっかくの誘いを無碍にできず、友人となりました。
最初は気軽に話していた二人組。
でも、次第に彼女たちは態度を変えていきます。
「宿題を写させてほしい」
「掃除当番を変わってほしい」
「購買でパンを買ってきてほしい」
段々と要求はエスカレートしていき、遂には少女にお金を要求してきました。
「ジュース代貸してほしい」
「お昼奢って」
「お金貸して」
貸したけど帰って来ない事で返してというと、
「直にバイト代はいったら返すよ」
「友達なんだからそのくらい良いじゃん」
「友達のお願い聞けないのかよ」
それまで人と接してこなかっただけに、強く言われたら何も言い返せなくなります。
そんな彼女ですが、いつも読んできた物語の世界でも最後に報われる話を読んでいたので、きっと幸せが訪れると信じていました。

だけど、現実は優しくありませんでした。
友人二人に呼び出されて付いて行った先で、少女はある男性グループの中に放り込まれました。
「せっかくだから、大人になるきっかけ作ってあげるよ」
「地味なんだから、男にモテるきっかけ作ってあげるよ」
複数の男性たちによって床に組み伏せられた少女。そしてその狂気に満ちた男たちの欲望が、少女の体を弄って行きます。
「やだ、やめて、誰か助けて!」
少女の叫びなど聞いて貰えず、遂には男たちに体の隅々までを汚されてしまいました。
更には叫ぶ少女をうるさいと暴力まで受けました。
成すがまま、されるがままの中、やがて少女は意識を失い…絶望の中で息を引き取ってしまいました。
その事実を隠そうと男たちは少女を袋に詰めると近くの川に沈めました。
それから数日後、変わり果てた姿となって少女は保護者の元へ戻ったのでした。

警察の手によって男たちは逮捕されましたが、未成年という事で死刑までにはならず懲役の実刑。少女たちは保護観察付きの生活を過ごすことになりました。
その一方で哀しみに暮れる少女の保護者。
でも、それよりも哀しんでいるモノたちがいました。
哀しみ、やがてその怒りは少女の敵討ちに変わったのでした。

1・
刑務所に服役している男たち。夕方からはある程度の自由がありますが、受刑者に与えられる娯楽など大概知れています。
そんな中で少女を殺したある男は読書をしていました。
数冊の本を持ち込み読みふけるうちに、消灯となって就寝します。
眠りについたその男の耳元に声が聞こえてきました。
「桃太郎はお婆さんからもらった黍団子を、道中で出会った犬、サル、キジに与え、共に鬼が島へと向かったのでした」
男はふと目を覚まします。するとどうでしょう。周囲は見たことも無い建物の中で、自分の目の前に犬とサル・キジを連れた若武者が立っていました。
「何だよこれ」
男が驚く中、若武者の合図に犬が襲い掛かって来ました。そして自分の足に噛みつくと、その痛みと勢いに地面に倒れました。するとサルが顔に飛び移って来て、その爪で顔を引っかかれます。
「いてっ!痛-って、やめろっ」
リアルな痛さに犬とサルを追い払うと、その隙にキジがこちらに飛んできて、自分の右目をくちばしで突きました。
「ぐわぁっ!」
とっさに手で抑えましたが、夥しい流血と痛みが襲います。しかも、キジのくちばしには丸い球が…
「な、何でだよ!くそ、これは夢なんだろ、早く醒めやがれ!」
男が叫びます。でも、周囲は何も変わらず、やがて若武者が腰から刀を抜いてこちらに迫って来ました。
「おい、お前桃太郎なんだろ?俺は鬼じゃねぇぞ、何でこんなことするんだ!」
すると桃太郎は言いました。
「黙れこの鬼め!か弱き者を乱暴し、あまつさえ、その命を奪いし悪行。その行いこそ、鬼ではないか!」
そして桃太郎は刀を振りかぶる。
「鬼退治故、成敗致す!」
「うわぁぁぁ・・・」

明くる朝、布団で少年が首を切断されて亡くなっていました。その右目は潰れ、恐怖に引きつった顔で…。

2・
そして桃太郎が鬼退治をする時刻、別の部屋でも違うお話が進んでいた。
「ここはなんだ?」
その男がいるのはある一軒家のベッドの中。そしてそのお腹は破裂しそうな程に大きい。
「腹が重くて動けねぇ。」
寝ていると、突然一人の男が部屋に入ってきた。猟をしているようない出立ち。そしてこちらが動けない事を見ると、懐からナイフを取り出す。
「おい、何をする気だ!やめろっ!!」
男が叫ぶが、その猟師はいきなりナイフを男の腹に突き立てた。
「ぎゃぁぁぁ!」「まってろ!すぐに助けるぞ」
漁師はそのナイフを動かして腹を裂こうとした。
「やめろやめろ、やめてくれ!何でおれにこんなことするんだ!」
すると猟師は首を傾げた後で答える。
「狼め。腹を裂いて赤ずきんちゃんたちを助けてやる。」
「俺は…赤ずきんなんて見ていないぞ!」
「何を言っている。袋をかぶせた少女を乱暴し、その袋を赤く染めさせたじゃないか。知らないとは言わせないぞ悪しき狼め、観念しろっ!」
漁師は言い終えるとナイフで男の腹を引き裂いた。
「ぎゃぁぁぁ」引き裂いた腹から内臓を掴み引き出す。その痛みに耐えかね、男は意識を無くし…

翌朝、布団の中で腹を股間まで一直線に斬り裂かれ、内臓がズタズタにされた受刑者の遺体が見つかりました。

3・
その受刑者は日々の作業を行っていた。彼の行う内容は金属加工だ。元々そういう職をしていた為に任された訳であるが、大型の機械に挟まれているために暑くて狭い。
そんな彼の背中でカチッカチッと機械の作動音が鳴り続ける。
「うるせぇなぁ。」
受刑者はそう思いながらも作業を続けるしかない。
そんな中、監督官が別の監督官に呼び出された時だった。先ほどまで鳴っていたカチッカチッっという音がけたたましく鳴り響く。
「なんだよ、機械壊れたんじゃねぇのか?」
熱さにイラついた受刑者は見られていない事を知ってバンッっと機械を叩いた。するとその叩いた板が外れ、勢いよく飛ぶと受刑者の背中に直撃した。
「熱ぃ――――!」
高温に熱せられた鉄の板が服の上からとは言え当たったため、その衝撃と熱さで悲鳴を上げた。
「おいどうした!」
慌てて戻ってきた監督官2名。そこで目にしたのは猛烈な熱気によって今にも爆発しそうな機械と、その前に板で背中を焼かれた受刑者。
「イカン、皆避難しろっ!」
他で作業する受刑者たちに避難命令を出し、板に挟まれた受刑者を助けようとする。しかし、大型機械がいつ爆発するかも分からない状況に何も手出しが出来ない。
その最中、別の受刑者が、その熱気を下げようと近くにあったバケツの水をその機械に向かってぶっかけた。
この行為によって水を被った受刑者は、電気の通った機械と繋がり、その体に電流が流れた。
「ぎゃあああああああ!」
しかも鉄板に触れていただけに、体中電流によって火傷を負ったのです。
浴びせられる電流の中、遂に機械は爆発を起こし、それに巻き込まれた受刑者の遺体は粉々に飛び散って、跡形もなくなりました。
こうして少女の命を奪った少年たちは全員変死したのでした。

一方で、少女が死んでから彼女を小間使いしていた二人の少女は肩身の狭い日々を暮していた。
少女に対して行っていた行動は周囲に見られており、よからぬ噂が立てられて周囲から相手にされないようになっていました。

「マジウゼぇんだけど…」
事件以来、良い事のない日々に少女Aは愚痴った。
「けどあの子いい様にしたのはあたしたちだから…」
死んだということから少女Bは後悔の念に苛まれていた。
「殺したのはあのバカたちのせいで、私ら関係ないじゃん」
「それはそうだけど・・・」
「クソッ、むしゃくしゃする!こうなったのもみんなあいつのせいだ」
少女Aは全く反省などしておらず、このような状況になったのも、少女が鈍かったせいだとさえ考えていた。
「そう思うだろ?」
いきなり振られるも、少女Bは視線を逸らして黙ってしまった。
「ケッ、いい子ぶっちゃって。お前だってあいつを好きなように弄ってたじゃねぇか」
そう言われて言い返そうにも、死んだという事実から何も言えず俯いてしまうB。
「フン。あ~ぁ、何か面白い事ないかなぁ」
お互いその後は一言も交わすことなく別れたのでした。

4・
少女Bは家に着くと、部屋でDVDを観ていた。
彼女が幼いころに観ていた物語。それは、とある貧しい家の少女が王女となる物語。
そして物語は佳境へと進む。

「この金の靴を履ける人がわたしの奥方となるのだ。」
それを聞いて長女は自らの指を斬り、足を靴に入れたのでした。
「入りましたわ王子。私こそあなたの捜している娘です。」
でもハトが現れ、その靴に血がいっぱいだと伝えたことで偽物と発覚。もう一度王子は家に向かいます。

「えっ?何これ・・・」
少女Bは驚きました。彼女の知る物語と全く違う内容。
ガラスの靴でなく、金の靴。しかもその靴を履けないために諦める姉たちの姿が映るはずが、自らの足の指を斬るなどという恐ろしい内容に少女Bは怖くなりました。

そんな中で更に物語は進みます。
今度は次女が自らのかかとを斬り落として履いたのです。
ですがこれもハトによって、血が出ているために偽物と見破られます。

「や、ヤダ、何よこれ!」
慌てて立ち上がった少女B。その時、脇にあった雑誌に足をとられ、大きく転びます。
そして転んだときに、いつも使っているガラステーブルに足が当たり、天板のガラスが落ちて割れます。
その際、少女Bの両足にガラスが当たり、かかとと指が斬れました。
「ぎゃあぁぁぁぁぁ――――!」
悲鳴を上げる少女B。

でもそんな状況の中で物語は進みます。
やがて王妃となった末娘のおこぼれにあやかろうと、婚礼の時に姉たちはシンデレラの両脇に立ちます。
でも、二人のその肩にそれぞれハトがとまりました。
「散々な事をしておいて、調子が良過ぎるんじゃないか?」
そう言って二羽のハトはそれぞれの姉の目を突きました。

あまりの痛みに転がる少女B。
そして次の瞬間、割れたガラスの破片が少女の右目に…

そこに悲鳴を聞いたBの母親が駆け付け、すぐさま救急搬送されました。

そんな慌ただしい部屋の中、テレビのハトが呟きました。
「お前は幼いころからこの物語を愛してくれていたから、命までは獲らずにおこう。」
その言葉のあと、画面はプツンと音を立てて消えたのでした。

5・
Bが家で事故に遭っていた時、Aは夜道を歩いていました。
ぶつぶつと不満を呟き歩くうちに、次第に人のいない寂しい道を歩いていました。
「あれ?ここどこ?」
Aはそう言って辺りを見回します。
人気のない暗闇の広がる一本道。
所々に外灯の灯りがあるが、古めかしく心許無い薄明り…
さすがにAは薄気味悪くなって後戻りしようと振り返りました。
するとその先人影が見えました。一つ二つ三つ四つ・・・
小柄な者から大柄な者、更には道幅いっぱいの大きさの顔、角が生えた者などなど。
あきらかに人ではない妖怪やお化けと称される物の怪たちが移動してくる。その数、百。
百鬼夜行でした。
慌てて逃げようとするAでしたが、恐怖で足がすくみ、腰を抜かして座り込んでしまいました。
そして百体もの物の怪たちがAを中心に取り囲みます。
「おやおや娘っ子がいるぞ」
「我らの行く手を遮るとはどういう了見じゃ!」
「ひぃい~~~~っ!」
悲鳴を上げ、恐怖に震えるAは余りの事に失禁してしまいます。
「におうぞ、怖くて漏らしおったか」
「ひひひひ、それは結構。活きの良い魂じゃな」
口々に浴びせられる言葉に、Aは涙を流し、助けを求めます。
「おねがい、たすけて!」
「ふむ、ならば一度だけ機会をやろう。」
すると目の前の一体がAの目に砂を掛けました。悲鳴を上げるAに対して、その物の怪は続けます。
「今から唄を唄う。その終わりの問いに応えられたなら見逃してやろう」
そう言うと百体もの物の怪たちが一斉に唄い、Aを中心に回りはじめました。
「籠女、カゴメ、籠の中に問うぞ♪
 何時いつ出会う。夜明けの晩に、ツルとカメが滑った。
 後ろの正面…だぁ~れぇ~だぁ~?」
何も見えない状況で百体もの物の怪たちに囲まれたAの恐怖は極限となっていた。しかも彼女は誰と聞かれても百鬼の名前など分かる訳もなかった。
「そんなのわからないよ!誰か、助け―――――…」
「げっぷ」

こうして少女Aは行方不明となったのでした。

亡くなった大人しい少女の部屋から、数冊の本が消えていたことは誰も知らない事でした。

おわり

幾つかの童話などを使って作品にしてます。

それではこれで失礼します。

  • 超紳士 2018.8.25. 12:00
    肩が重い…
  • K2taka 2018.8.25. 14:17
    >かやちゃん
     バービーちゃんの愛か、寝違えねーw
  • タータミッツ 2018.8.25. 14:41
    お疲れさまでした。語り部で出たかったんですけど、不慮のPCクラッシュに遭いまして、復帰の目処が曖昧やったんで見送った次第ですわ(><;)
  • Cavarice 2018.8.26. 03:21
    終わったのですね…苦手なので参加はしませんでしたがお疲れ様でした!
    ブレソ始めたばかりの頃は墓地東のゾンビと謎の洞窟が怖くて
    2か月くらい千霊キョンシーやってたおもひで…
  • K2taka 2018.8.26. 13:14
    >タータさん
     お疲れさまでした。また今度機会あったらお願いします^x^
  • K2taka 2018.8.26. 13:15
    >Cavariceさん
     何人か、苦手だけどって方もいらしてましたw
     みんなで聞いたらって感じだったみたいですね。
     苦手なモノって人それぞれあるでしょうから、大変ですよね…