【カワクン】闇夜の魔女
2016.3.4. 04:44 | 閲覧数 4952 | いいね 24
―――昔話を聞きたい?
なら……とある魔女のことを語ろうか。
それはそれは、妖艶な魔女だった。
まだまだ小さかった頃の、とある夜のことだった。
よく覚えていないが、ふと気づくとどこかの廃都にいた。
あたり一面は薄くも闇に満ちていた。
その中で見つけたのは、ひとりたたずむ女。
―――華奢な背中は隙だらけかに思えたが。
くるり、と突如に彼女は振り向いた。
見えた双眸は赤を秘めた闇に満ちていて。
浮かべられていた微笑は艶かしく、思わず息を呑んだ。
あら、可愛い子……どこから迷い込んできたのかしら?
そう言ったかと思うと、彼女の右手に火が生まれ出て集い始め―――…
赤き唇から静かな旋律が紡ぎ出され。
短くも長く時間を感じた頃、彼女は空中にただよわせていた手を振り下ろした。
灼熱たる隕石を従わせて。
焼かれる―――と、尻餅をついてしまったが。
その激しき炎は、いつの間にか沸いて出たものらだけを一掃していった。
思い切りそれを身に浴びたはずだが、どうしてか全く熱く感じなかった。
全て片付くと、彼女はこちらを見下ろした。
安心させるように、穏やかな微笑を向けながら。
……ふふ、腰が抜けてしまったのね。
慌てることないわ。
ここの時は穏やかよ、ゆっくりしていらっしゃい。
私は辺りを掃除しておくから。
……いつのまにか、朝ね。
しばしの休息をとりましょう。
あらあら、可愛らしい小鳥ちゃんね。
あなたもここで少し羽を休めるといいわ。
そして、また静寂に包まれた夜が訪れ。
―――ああ、闇が私を呼んでいる。
行かなくては―――…でないと、闇が辺りに満ちすぎてしまうの。
あなたと過ごした刻、とても安らいだわ。
帰り道はそこから真っ直ぐ行けば大丈夫よ。
……あら、呼び止めてどうしたのかしら。
最後に、私が何者かって?
さぁ…ただの魔女、とだけ言っておくわ。
ふふ、その方が気になって仕方なくなるでしょう?
それでは、またいつか……ご機嫌よう。
そう言い残して、彼女の姿はあっという間に闇夜の中へ掻き消えた。
ふと気づくと、辺りにあんなにも満ちていた闇はもういなかった。
それまでは何故かわからなかった帰り道がよく見えた。
そうして一日振りの家に着くと、家族は何事も無かったように接してきた。
実際の時間はそんなに経っていなかったのだ。
まるで白昼夢を見ていたかのよう。
だが彼女と過ごした刻は夢ではないと、心が叫んでいた。
―――今はこう思う。
彼女が導いてくれたのだ、と。
それはそれは、優しい優しい魔女だった―――…。
☪ヤミ
おはよう&こんにちは&こんばんは、ヤミです。
今回も長々とダークキャラにダークストーリー調ですが、
ここまで見て頂きありがとうございます。
参加キャラクター名も『ヤミ』です。
こうやっていつも名乗っている通り、この子が元々のメインキャラでした。
初めて作ったキャラでもあり、いわば私の分身のようなものです。
ですから、カワクンで参加するならこの子と決めていました。
この子は闇の魔女というイメージで作りました。
なので、こうしてカワクンという企画にのっとって、
この子を魔女として登場させることが最大の念願でした。
今こうして果たせて、とっても嬉しいです。
主催:霧花様
霧花様、今回も開催お疲れ様です。
私にとって愛しい子を表に出す機会にも、好きなSS加工をする良い機会にもなり、
こういった企画を開催して下さったことに…毎度ながら心から感謝です♪
また沢山の綺麗可愛いクンたちを堂々と眺められることにも。
ありがとうございます♡
それでは、良い闇夢を…☾
-
((o(・∀・`o)ドモドモ(o´・∀・)o))しなもんです。
この先のストーリーがあるならまだ見たい!!と思わせる位、力のあるSSと文章でとっても素敵でした(人´ω`*).☆.。.:*・゜ -
サムネの眼力に引き寄せられて来ました(´∀`*) 危険な香りがする女性って魅力ありますよね~
お!? 竹林村にいるあの小鳥が…手の上に乗っている(°д°) -
黒に紅い目の怖いイメージが、神秘的な感じになって素敵なお姉さんになってますね。
すごいすごい!! -
悪鬼都市のよどんだ景色が、加工の結果、クリアな青闇になっていますね。
山の向こうの月が綺麗
そんな闇の中に映える炎と鮮血色の瞳に、唸らされます。
さすがの加工と物語です。
手乗りの小鳥さんも、素敵なアイディアですね。
カワクン参戦、応援です。 -
ストーリーによってキャラクターの内面まで伝わってきてすごい惹かれましたw
手に乗っている小鳥のSSで魔女さんの優しさが伝わってきますね(*´ω`*)すごい! -
ヤミさんがきたっ⌒゚('◇'*)゚⌒
佇む、魅せる、動くのバランスの良い構成に
どの作品も柔らかく優美さがあります⌒゚( ;´`)゚⌒溜息
このまま当誌に掲・゚・(><)゚⌒ムグゥw -
受付完了致しました!ご参加ありがとうございます(*´ω`*)
今回もやみさんらしい闇キャラで妖艶な感じですね!自分では黒目キャラを作らないのですが、どうしても怖い印象が取れず…w
ただやみさんのふんわりした柔らかく幻想的な加工でその印象はかなり変わったかなーと思います(*´ω`*) 美人で妖艶なお姉さん受け付けました♪ -
サムネの艶やかさに息をのみました!美しい(*´∇`*)
神秘的な雰囲気を生かす柔らかなフィルターがかかったSSと
鮮やかな色合いを生かすコントラストが強いSS
どちらも丁寧な処理で見ごたえがある!
今日もまたどこかに闇の魔女が現れているのならば
いつか遭遇したいものです/// -
幻想的でちょっと怖いけど優しいお話しですね!
キャラクターの持つ世界観と魅力を細かいところまで丁寧に描いた素敵な作品です! -
❤いいねとコメントを下さった方、ありがとうございます♪
毎度ながら、とても嬉しく励みになります(*´-`)!
そして、この後は参加キャラクターの魔女で答えてみます。
もしこういうの苦手な方いらっしゃいましたら、すみません(ノω`)
あら、何か文が来ているわね。嬉しいじゃない。
―――魔女たるこの私『ヤミ』が返答を致しましょう。
☪影虎さま
しなもんさんね。
素敵との言葉をありがとう。
この先?そうね…ふふ、どうかしら。
闇が私の姿を隠していない時に、また何か起こるかもしれないわね。
☪BSKINGさま
眼力……そうね、闇を秘めた目は強いわ。
気をつけないと呑まれてしまうわよ?
危険なものについつい惹かれるのは無理もない事ね。
私も昔…人間だった頃、闇に惹かれて―――ふふ、そして今に至るのよ。
竹林村の小鳥ちゃんたちは逃げてしまうのだけれど、この時は疲れていたようね。
私の手のひらに乗ってきてくれたわ。
☪うみみさま
ふふ、そうね、黒と赤は暗いイメージがついてまとうものね。仕方ない事だわ。
あらあら、お褒めの言葉をありがとう。
綺麗でしょう、でも気をつけないと……闇に呑まれてしまうかもしれないわ。
特に貴女のように可愛い子は。
☪ロンさま
この都市はとても落ち着くわ。
闇が満ちているせいだからでしょうね。
でも不思議な事に私がここへ来ると、ここの闇が退いてしまうのよね。
どうしてかしらね…ふふ……。
鮮やかな赤はたまらなく魅力的よね。
たまに…ぶちまけてしまいたくなるわ―――…。
小鳥ちゃんは癒しよね…ふと乗ってきてくれて良かった。
応援ありがとう、嬉しいわ。
☪ココアさま
あらあら、惹かれてしまったのね。
惹かれすぎないように、気をつけなくちゃいけないわよ。
闇はいつでもそこにいるもの。
私が優しいだなんて、それはどうかしら。
でも嬉しいわ、ありがとう。
☪リタさま
とてもお久しぶりね、リタさま。
ずっと前に会ったのは…竹林村のところだったかしらね。
ふふ、魔女たるものいつでも優雅に魅せなくては。
あらあら…貴女の雑誌に?
それはいけませんわ、闇が私を離してくれないもの……ふふ。
☪霧花さま
受付をありがとうございます。
黒は恐怖を生む色ですものね…恐怖を感じた方がまだいいのかもしれないわ。
あら、よかった。そう言って頂けて、とても嬉しいわ。
それでは、結果発表を楽しみにしております。
☪かりんさま
ふふ、ふふ…美しく見えてよかったわ。
闇がうまく綺麗に見せてくれたようね。
私も可愛い貴女に遭遇したいわ。
そうね、闇が私を呼んでいなければ……いつかそのうち、会えるでしょう。
☪しっぽなさん
まぁ、ありがとう。
闇の雰囲気と私の魅力を感じて頂けたようで、嬉しいわ。
貴女も気をつけてね、闇に呑まれてしまわないように……。