己の弱さ・・・、故に拙者は覚悟を決めるでござる。
2015.12.2. 03:39 | 閲覧数 2309 | いいね 10
夜分遅くに失礼するでござる!
拙者、遂に仇を討たんと奴の地に参ったでござる!!
それにしても、今宵は月明かりが異様に眩いでござるな。
このような夜はあの時以来・・・、
否、あのような夜に今宵はならぬでござるぞ!
儀式の最中でござったか。
都合が良いでござる。このまま怪しげな儀式も止めさせるでござる!
瞬く間に精鋭たちが取り囲んだでござる。
さすが、じゃん殿が選ばれた者たちでござるな。
む?
「フフッ、この程度で止められると思っているのか・・・。」
瞬く間に、ジン・ヴァレルは精鋭兵たちを薙ぎ倒すと、一直線に拙者へ参ったでござる!
「くっ!!なんという速さ!!」
隙を突かれた拙者は、桜舞で攻撃を弾く・・・、
されど、その異様なる力を前に、桜舞が折れてしまったでござる!!
「なんとっ?!」
浴びせられし一太刀。
その斬劇は拙者の心の奥までをも断ち切るほどの衝撃でござった!
崩れ落ちる拙者の目に、眩い月明かりが射し込む。
「ああ・・・、あの時と・・・、父上、母上・・・。」
それから拙者の意識は闇の中へと落ちていったでござる・・・。
「ガチャンッ!!」
板張りの床の上へ、ガラス容器が落とされ、甲高い音を立てて四散した。
その前で立ち尽くす女性・・・。
「やだ・・・、何か嫌な予感がする・・・。
あっくん・・・?」
何とか一命を取り留めた拙者でござった。
されど、拙者の身体は再起不能なほどに痛められており、何とか歩くことだけしか出来ない状態でござった。
そんな拙者を救おうと、まりな殿たちが囚われた拙者を逃がすよう働いて下さったでござるが・・・、
最早、これ以上の無理は出来ぬ状態でござった・・・。
そして再び気付いた時、拙者は山奥の寺に運び込まれてござった。
寺の和尚に何とか内気の乱れを整えてもらったでござるが、最早・・・、拙者には無駄な状態でござった。
何より、我が愛刀『桜舞』が折られてしまった事・・・、拙者の慢心が父上からの授かりし刀を折ってしまったのでござる。
これは、決して許されぬ事にござる・・・。
故に心を決めた拙者は、身を清めている所でござる。
あの出来事が嘘のような穏やかな世界・・・。
懐かしき感傷もござるが、今はもう・・・、うむ、そうでござるな。
旅をした果てに、かような場所を最後に拝見できるとは・・・、感謝でござる・・・。
思い残すは姉上の事でござるが・・・、
きっと怒るでござろうな・・・。
されど、強き方でござる。
どうか、拙者の分まで元気に生きてくだされ・・・。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・
うむ、では参るとするか。
白装束を持ち合わせてはおらぬが、致し方ござらぬな。寺で用意頂く訳にも参らぬ。
おお、この世界の戦神様の像でござるかな。
拙者の最後には相応しき場所でござる・・・。
戦神様、御身の前にて失礼するでござる・・・。
・・・・くっ!
何を今更!!涙など、拙者の弱さが迎えたことにござろう!!
くそぉっ!!
・・・・・・・
・・・・・
・・・
ふむ、覚悟は出来たでござる。
では、和尚には申し訳ござらぬが、後のことはよろしくお願いするでござる。
切腹は武士の誉れ!
己が覚悟、見届けるでござるっ!!
拙者の覚悟は、突然の猫によって遮られたでござる。
拙者は死す事も許されぬでござるか・・・。
「ダメですよ!そんなことを考えては。」
拙者の知るこの世界で仲良くしてくれた方でござる。
「いけないおねえさんに頼まれたから、あなたを助けてあげますx・ウミミンっ。」
「ほーい。元気になぁ~れ!」
団長殿、卯美々殿、ご協力感謝でござる。
その光に拙者は包まれたでござる。
穏やかな心、そして身体は隅々まで暖かな感じが沁み込み、心地よき状態になったでござる。
そんな中、かつて聞いた言葉を思い出す。
「己の人生、勝負に負けることはあっても、人生に負けることだけはあってはならぬ。諦めぬこと、そして精進することが大事であるぞ!心せよ。」
それは、拙者と姉上に武術を教えてくれた父上の言葉。
そう、その言葉が今ではよく分かる気がするでござる。
そして、声が聞こえたでござる。
「さぁ、これからは団長たちがバックアップするでござるよx・
心配無用、もふもふ団に任せるでござるx・」
何やら、笑みを浮かべてしまう自分に、拙者はまだやれると感じることが出来たでござった。
以降、次回に続くでござる!
あとがき
今回はいつもと違う内容と思われるでござろうな。丁度、世話になることになったもふもふ団を取り入れさせて頂いたでござる。
いつもと違い、卯美々殿からこの話の案(ほぼお書き下さったでござる)を頂き、気に入った故にこうしてお届けすることにしたでござる。
また次回からは拙者の形でお送りするでござる。
この場を借り、改めてもふもふ団の皆様方、世話になるでござる。
よろしくお願い申し上げるでござる。
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おお…よかったよかった…(´;ω;`)
続き、楽しみにしております(*´ω`*)♪ -
おおおお侍殿おおおおお!?だだだだ大丈夫でござるかあああああ!
愛刀も使えなくなってしまったなんて大変悲しかろうですぞ(´;ω;`)
いっそ私がこの間調査班に取りに行かせた復坤剣でも其方にお渡し出来れば良いのですが・・・ -
その時おねいさんはウサ耳メイド姿で何をしていたんでしょうか…
気になって夜も眠れません(*´Д`*) -
多くの閲覧頂き、恐悦至極にござる。
また、いいねやコメントも心より感謝申し上げるでござる。
みゆたま殿
今回は、卯美々殿のご提案にのせて貰ったでござる。
拙者も、この胸のうちはなかなかに表現できなかったでござる。
さ、次回からは心機一転で邁進するでござる!
HiGanma殿
ご心配を掛けて申し訳ござらぬ。
桜舞は誠に残念でござる・・・。
されど、次回より新たな力を携えて参る所存にござる!
お心遣い、かたじけのうござる。
makcp567殿
姉上でござるか?(貴殿は姉上の”ふぁん”でござるな!!
姉上は今、砂漠の旅館にいるようでござる。
何でも、ある方の口利きで、旅館の仕事を手伝っておるとか・・・?
睡眠はきちんと執ってくだされ! -
刀も心も折られてから復活するのが侍魂(ノ◇≦。)゚⌒がんばーヾ(`ヘ´)゚⌒
団長(卯美々さん)その登場オイシーw('◇'*)゚⌒ -
アクアリータ殿
拙者、これによって己を見つめ直せたでござる。
応援かたじけのうござる。
ふむ、団長殿と卯美々殿には苦労かけたでござる。